2021年12月特別講演会「脱炭素社会への切り札:カーボンプライシングの内外状況と国内展望 」早稲田大学教授 有村 俊秀様

講演概要:
脱炭素社会に向けて、各国で排出量取引や炭素税等のカーボンプライシングが進んできた。本報告では、欧州のEUETS、米国の RGGIに加えて、中国や韓国の排出量取引の導入状況や効果、影響を紹介する。また、北欧、ドイツやカナダのブリティッシュ・ コロンビアで実施されている炭素税の二重の配当の考え方についても紹介する。そのうえで、環境省、経済産業省での検討を踏まえ、日本におけるカーボンプライシングの論点を紹介する。最後に、欧州で検討が進む国境炭素価格制度についても紹介する。

【目次】  
1.カーボンプライシングとは?  
2.世界での炭素税の普及  
3.世界で進む排出量取引  
4.カーボンプライシング導入の論点  
5.EUで検討される国境炭素価格制度  
6.質疑応答

 

講師紹介:

氏 名 有村 俊英   Arimura Toshihide
現 職   早稲田大学・政治経済学術院・教授
同・環境経済経営研究所・所長
経済経営研究所・ファカルティフェロー
紹 介 早稲田大学・政治経済学術院教授、同・環境経済経営研究所所長。経済産業研究所ファカルティフェロー。東京大学教養学部卒業。筑波大学環境科学研究科修士課程修了。ミネソタ大学Ph.D.(経済学)。
気候変動、省エネルギー、大気汚染問題等を定量的に分析。上智大学経済学部教授、及び、同・環境と貿易研究センター長を経て現職。その間、内閣府経済社会総合研究所客員研究員、未来資源研究所(ワシントンDC)及びジョージメーソン大学・客員研究員(安倍フェロー)、環境省・中央環境審議会委員、東京都環境審議会委員、経済産業省検討会委員、文部科学省学術調査官、環境経済・政策学会理事、環境科学会理事等を歴任。
これまでJournal of the Association of Environmental and Resource EconomistsやJournal of Environmental Economics and Managementに論文を公刊。共著書に「入門環境経済学」(中公新書)、共編著書に「環境経済学のフロンティア」(日本評論社))、「Carbon Pricing in Japan」(Springer)等。
Review of Environmental Economics and Policy等の国際学術雑誌の編集委員も務める。2018年度環境経済・政策学会学術賞、2020年度環境科学会学術賞、2021年環境経済・政策学会・論壇賞受賞(Carbon Pricing in Japan)。専門は環境経済学。

 

開催:Web会議システム