講演概要:
フルオロカーボン系冷媒は1920年代から現在まで冷凍空調機器の作動流体として使われている。しかし、フルオロカーボン系冷媒によって引き起こされるオゾン層破壊や地球温暖化の問題が注目されている。冷凍空調分野が持続して発展していくように、環境負担が低い機器、いわゆる持続可能で循環型の機器・システム開発を行っていくべきである。
地球温暖化係数(GWP)が低い冷媒、および、それらを用いた高効率の機器の開発が求められる。加えて安全性、冷媒充填量、運転時の冷媒漏洩を対策した機器を実現し、さらに機器廃棄時に冷媒を回収しやすい冷媒管理システムの構築等の持続可能な循環型機器や仕組みを実現すべきである。しかし、新冷媒の研究開発、実用化は多くが道半ばである。そこで本報では、冷媒回収・再生・破壊の現状および課題について概説し、冷凍空調の発展が持続可能な循環型機器・仕組みの提案を試みる。
講師紹介:
氏 名 | 香川 澄 (かがわ のぼる) |
学 歴 | 1980年 慶應義塾大学工学部機械工学科卒業 1982年 慶應義塾大学院工学研究科修士課程機械工学専攻修了 |
学 位 | 工学博士 1989年11月 慶應義塾大学 |
職 歴 | 1982年 株式会社東芝 家電機器技術研究所研究員(1991年まで) 1991年 防衛大学校講師 1995年 米国標準技術研究所客員研究員(1997年まで) 2003年 防衛大学校教授 |
主な役員 | 国際冷凍学会執行委員・日本代表(2012年-) 、同管理委員(2013年-) 第24回国際冷凍会議実行委員長(2015年-) 日本冷凍空調学会会長(2017-2019年)、監事(2019年-) ASHRAE AASA 評議員(2020年-) 他 |
代表的な著書 | スターリングエンジンの理論と設計(山海堂、パワー社) Regenerative Thermal Machines (Stirling and Vuilleumier Cycle Machines) for Heating and Cooling (IIR) |
開催:Web会議システム